歯ぐきから血が出るときは｜お口の病気｜歯とお口のメディア│

歯磨きをしていたら血が出てきたなんてことはありませんか。
実は、健康な歯茎は歯磨きをしたくらいで出血することはほとんどありません。
軽く歯を磨いただけで血がダラダラと出るのなら、歯茎に何らかの異常が発生している可能性があります。

歯茎は非常にデリケートな部位ですが、同じ口内にある舌や頬の粘膜などと比べて、別段弱いというわけではありません。
歯ブラシで多少刺激した程度で血が出てしまうという場合、どんな原因があるのでしょうか。

・歯周病
もっとも可能性が高いのが「歯周病」です。
歯周ポケット（歯と歯茎の隙間）まで清掃が行き届かないでいると細菌が増殖して、炎症を起こして赤くなったり腫れたりする病気で、歯を失う原因の1位となっています。
ブラッシングによってプラーク（歯垢）を取り除くことができれば治まりますが、歯石になってしまっている場合は歯科医院でなければ除去できません。

・オーバーブラッシング
オーバーブラッシングとは「歯を磨きすぎてしまう」ことです。
硬い歯ブラシや強い力で歯をゴシゴシと磨いてしまうと、歯茎が傷ついてしまい、血が出てしまうことがあります。
傷が付くほど磨くと歯茎がどんどん減ってしまい、やがては歯の根元が露出してしまいます。
歯の根元が露出すると、歯がしみる知覚過敏の原因にもなりかねません。
オーバーブラッシングは、念入りに熱心に歯を磨いている方に多い傾向があります。
ゴシゴシ磨くのではなく、やさしく、小さな動きで丁寧に磨くことを心がけると良いでしょう。
　
・ホルモンバランスの変化
思春期や生理、妊娠などホルモンバランスが変化する時期は、特に女性ホルモン（エストロゲン）を好む細菌の働きが活発になり、歯ぐきが炎症を起こして赤く腫れ、しみたり、出血をしやすくなります。
ホルモンの影響を受けやすい排卵日付近と月経1週間前から月経開始までの時期に口腔ケアを特に念入りに行うことも、歯周病の進行を抑えるポイントのひとつです。
妊娠期間中は胎児への影響を考えて治療方法が限定されてしまうため、普段よりもブラッシングをしっかりと行うなど、予防歯科が重要になります。

・その他の原因
内臓や血液の病気が原因で、歯茎が出血しやすくなる場合もあります。
たとえば、肝硬変。
肝炎のウイルス感染が主な原因で、肝細胞が破壊され、肝臓が硬くなる病気です。
歯茎からの出血のほかに、黄だんやむくみ、腹水、鼻血などの症状を伴う場合があります。
そのほかに考えられるのが、急性白血病です。
鼻血や歯茎からの出血など、血が止まらなくなるなどの症状が現れます。
また、多発性骨髄腫や血友病、再生不良性貧血など、歯茎からの出血を伴う病気はたくさんあるのです。
歯茎からの出血以外にも気になる症状があるときは、早めに専門機関を受診するようにしてください。
また、降圧剤などの影響や、歯ぎしりや口呼吸、ドライマウス、喫煙などが原因で歯茎から出血する場合もあります。

歯周病が原因で歯茎から出血した場合は「血を出したほうがいい」と言われています。

出血した際は、毛先の柔らかい歯ブラシや指を使って優しくマッサージをしてあげると効果的です。
歯ぐきの血流がよくなり、新陳代謝が促され、歯周病の予防や改善に役立ちます。

マッサージのやり方

1.事前に歯を磨き、手を洗ったりしておく
2.片方の手で唇を上にめくる
3.前歯の上から犬歯の上までの歯茎をくるくると小さな円を描くように5往復程度マッサージする
4.犬歯の上から奥歯の上までの歯茎を同様にマッサージする
5.反対側も同じようにマッサージする
6.下の歯の歯茎も同じようにマッサージする
7.頬の内側に指を入れ外側に軽く引っ張る
8.左右同じように行ったら完了

上記は、基本的な方法であるため、より時間を掛けて丁寧に行う方が望ましくなります。
特に、歯と歯茎の境いは丁寧にマッサージしてください

それでも慢性的な出血が続くときは、重度の歯周病かそれ以外の病気である可能性もあります。
そんな時は、なるべく早めに診察を受けるようにしてください。